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Isekai Sagishi V2Prologue

 プロログ﹃今⽇も閑古⿃﹄

()だまり(てい)には︑今⽇も今⽇とて客がいない︒

﹁ヤシロさん︑顔が(こわ)いですよ︒お茶でも飲んで⼀息ついてくださいね﹂

ジネトがいつもの笑顔(えがお)で俺の前に()()みを置く︒にこにこと︑(なや)みのなさそうな顔だ︒

⼀⽅のエステラは(あき)れ顔だ︒まるで聞き分けのない⼦を⾒るような⽬で俺を⾒ている︒

 現在︑⾷堂にいるのは俺を(ふく)めて三⼈だけだ︒……ホント︑客が来ない︒

 が︑俺が不満を覚えているのはそんなことではない︒

﹁なんで物が売れないんだよ ︖納得(なつとく)がいかん﹂

 俺は︑⾏商ギルドといざこざがあた際にゴミ回収ギルドを作た︒その⽇から俺は︑ギルドに所属している⼈間になたのだ︒だというのに物を売ることが出来ない︒

﹁ゴミ回収ギルドが許可されているのは︑ゴミを買い取り︑陽だまり亭(およ)びそれに付随(ふずい)する関連各所での有効利⽤であて︑それをそのまま販売(はんばい)することは認められていない﹂

 集めた⾷材をどこかに売ることは出来ない︒それは⾏商ギルドの範疇(はんちゆう)だからだ︒﹁どうしても売りたい物があるなら領主に申請(しんせい)して﹃売買許可証﹄を発⾏してもらうといいよ︒

⼀回限りだけど品物を売買することが可能になる︒ちなみに︑使⽤後は取引相⼿のサインをもら

てきちんと失効印をもらうこと︒誤魔化して使い回すと罪になるからね﹂

 領主の許可が取れない代物(しろもの)──つまりは取り⽴て屋ゴ フレ ドとの⼀件で⼿に⼊れた(いわ)く付きの⾹⾟料(こうしんりよう)を売りたい時はどうすりいいんだて話なんだが︒

﹁お前さ︑﹃許可証ならいつでももらてきてあげるよ︕﹄とか⾔てなかた け︖﹂

﹁さ︑記()にないな﹂

(うれ)しそうに⾔いやがて︒

カンバセ シヨン・レコド

﹁調べてあげるから﹃会話記録﹄を呼び出して︑画⾯をこ ちに向けてみてよ﹂調べるだと ︖そんなことが出来るのか︒

カンバセ シヨン・レコド

﹃会話記録﹄のまだ知らぬ使い⽅か……⾒ておいて損はないだろう︒

カンバセ シヨン・レコド

俺はエステラの⾔う通り︑﹃会話記録﹄を呼び出し︑画⾯をエステラに向けた︒

検索(けんさく)︒﹃許可証ならいつでももらてきてあげるよ﹄﹂

                                                             しゆんかん                     カンバセ シヨン・レコド

エステラが⾔た瞬間︑﹃会話記録﹄の画⾯が﹁ババン︕﹂と真⾚に染ま た︒

﹁なんだこれ!?

カンバセ シヨン・レコド

﹁﹃会話記録﹄では︑直近の五分を除外して過去の会話を検索することが出来るんだ﹂﹁すげ便利じ ん﹂

﹁検索した結果︑該当(がいとう)する会話は⾒つからなかたようだよ﹂

﹁お前の調べ⽅が悪いのかもしれん︒俺にもやらせろ﹂

……やてみたいだけじ ないか︒しうがないな︒⼀回だけだよ﹂

カンバセ シヨン・レコド

そう⾔てエステラは﹃会話記録﹄を呼び出し︑画⾯を俺に向ける︒

よし︒

﹁検索︒﹃もとおぱい⼤きくならないかな﹄﹂

カンバセ シヨン・レコド

俺が⾔うと︑﹃会話記録﹄の画⾯に﹃該当件数 48件﹄と表⽰された︒

﹁ち おと!? なにしてくれてんのさ!?

﹁ふむ︒思てたより少ないな﹂

おおあわ                                    カンバセ シヨン・レコド                                                                                                     にら

⼤慌てで﹃会話記録﹄をしまい︑真⾚な顔で俺を睨むエステラ︒

﹁ま ︑ま たく ︕どうして君はこういうくだらないことばかり考えつくんだい!?﹂こほんと咳払(せきばら)いをして︑エステラは話題を変える︒というより(もど)す︒

﹁もし君が︑﹃思いがけずに﹄⼿に⼊れた物があるならば︑ボクに⾔てよ︒領主の許可証と(いつ)(しよ)に優良な商店を紹介するから﹂

 それはつまり︑﹃(みよう)()()りは⾒せるなよ﹄という(おど)しか ︖ ……くそ︒この⾚髪(あかがみ)(むすめ)は︑どこまで勘付(かんづ)いてやがるんだ︒ま ︑おそらく︑﹃全部﹄なんだろうが︒

あ ︑チキシウ︒万策尽(ばんさくつ)きたな……と︑なんとはなしにジネトに視線が向く︒いや︑待てよ︒ジネトのこの︑無欲(むよく)微笑(ほほえ)みとわがままボインがあれば……

﹃えへへ︒よく分かんないんですけど⾹⾟料買てください﹄

きよにゆう


たんこ


﹃いや ︑こんな巨乳美少⼥に⾔われち 買わないわけにはいかないな︑でへへ﹄こんな感じで()⼿()くいくんじ ないか︖

﹁ふ !? な︑なんですか︑ヤシロさん ︖ジ と⾒つめて……

﹁いや︑やりようによてはアホのジネトでも使い道があるんじ ないかと思てな﹂

﹁ひ︑(ひど)いです︑ヤシロさん︕﹂

ぷりぷりと(おこ)るジネトを(なが)めながら︑﹁んな簡単に⾏くなら苦労しねよ﹂と︑⾃分⾃⾝に

ツコミを⼊れておく︒

あ ︑なんとかして売れねかな︑⾹⾟料……

そんなことを(ひそ)かに思う︑あまりにも(ひま)過ぎるある⽇の午後だた︒

ホント客来ね な︑この店︒

 

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